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vol.1

暮らしと環境の明日を凝視しながら「普遍性」と最高の「性能」を提案。

株式会社 大共ホーム 【岩手県岩手郡滝沢村】

生活提案が随所に散りばめられた情報発信型の展示場

暮らしの変化に対応して間取りが「進化」する、
斬新な常設展示場「ウィズアス」。

2004年春にオープンした展示場「ウイズアス」は住まいへの提案がぎっしり詰まった同社初の常設展示場である。

外断熱のツーバイフォー工法。高い温熱性能と大空間、徹底した素材の吟味や空気質の問題、将来における可変的な間取りと性能にまで踏み込んだ、生活提案型の展示場でもある。

ドアを開け、すぐ目の前に広がる広い木質感あふれる大空間。右手には、階段を中心にリビングと、そこに突き出でるように設けられたフルオープンのアイランド型キッチン、30センチ高の畳のコーナー、左手には和の空間と、それに続くおしゃれな家事室が目に入る。

畳コーナーの下は収納スペースも兼ね、コーナーを片づければ、下はタイル貼りの土間。趣味や観葉植物のための空間などにも転用もできるほか、日射を採り入れながら蓄熱する「ダイレクトゲイン」も兼ねている。

玄関ホールの左手に設けられた和室も、畳を片づければ板の間が表れ、洋の間への転用も可能。必要に応じて仕切りを取り外すことのできる柔軟性は、家族構成の変化はもちろん、気の向いたときに生活空間の変化をちょっと楽しもうというニーズにも対応できる細やかな配慮。

全体を回ってみると、あえて廊下を廃し、階段を中心に左右どちらからでも回れる動線、つまり回遊プランの利便性が理解できる。

生活スタイルや家族構成の変化に対応していく可変の家

隠さずに魅せるキッチンもいい。
家具やファブリックなどインテリアコーディネートの参考にもなる。

階段の裏側に回ると地下室へのアプローチ。右側には1.4メートル高の広い物置と半地下室。床は麻素材で、水回りも付き、趣味室としてはもちろん、寝室や客間としても使えるプラスアルファの空間である。

2階は浴室とトレーニング室、それに広い空間を柔軟に仕切った書斎コーナーと洋室、主寝室、ファミリールーム。

各居室には手製の収納スペースが置かれており、どこにでも移動できる可動式。使用しなくなった場合、取り外してしまえば、さらに広い空間が出現するといった可変性が、ここでも提案されている。

北側に設けたトレーニング室は、高性能の天窓を使用することで、採光もたっぷり。隣接した浴室や洗面所とのアクセスもスムーズ。

「こんな休日はいかがでしょう」といった提案が、ここからも聞こえてくるようだ。

個室に執着せずにあらかじめ大空間をつくっておき、子どもの成長や生活スタイルの変化に対応させ、仕切りを付けたり、取り払ったり、間取りそのものを可変的に変化できる設計──。確かに、このほうがシンプルで費用も最小限で済むのである。

不要な空間や部位を削り落とす潔さがデザインの基本

空間の一角に設けた書斎コーナー。
可動式の仕切りや家具で、空間を何通りにも変化させる。

機能を個室化し固定してしまうのではなく、面積や用途にあえて目的を持たせず、パブリックスペースを大空間としながら、個室を極力小さくするといった工夫も、全体の空間がゆたかに見えるポイントの一つ。

例えば、リビングとキッチンを仕切りたいと考えるのも、来客時の視線を意識して、リビングと応接間と併用しようと考えてしまうから。むしろ、家族の日常生活をありのままに見せ、来客さえも家族の生活に取り込んでしまおうと割りきるだけで、独立キッチンではなく、リビングに突き出したアイランド型のキッチンという新たな発想もできてくる。

機能別に設備や居室を設置すると、機能と機能をつなぐ廊下も必要となり、無駄な面積も増えていく。狭い家のなかで機能と機能を渡り歩くような不自然な動線が生まれるデメリットもある。

「可変性」は、将来的に増改築や水まわりを増設・移設しやすくし、間取り変更を容易にするような工夫をしておくことが基本。間取りの変更が生じてもなお、可動式の家具や仕切りで空間を変えられる。反対に、壁や仕切りが必要になっても、最小限の費用でそれが実現できるような配慮のほうが現実的だ。

「可変性の実現には、使用頻度の少ない居室や空間を思いきって使用頻度の多い空間に組み込むか、いっそのこと排除する」という橋本秀久社長の潔さは、そのままこの展示場にも具体化されている。

生活発生熱を活用しながら暖房コストをゼロ化した「FUZAM」

「1日フレーミング」は寸分の狂いも許されない真剣勝負。
スケールを測る眼差しも鋭い。

デザイン性の高い空間提案でその名を馳せてきた同社だが、性能面での取り組みでも業界をリードし続けている。

パネル製造からフレーミングまで、全工程を自社で一括で管理。自社工場で極限まで高めた精度で加工された部材を用い、ツーバイフォーの本場・北米でも1週間はかかるといわれるフレーミングを、わずか1日で終了させる「1日フレーミング」を実施して10年以上、その実績は400棟を超えている。

オール電化はいうまでもなく、地中熱ヒートポンプの採用、徹底したシックハウス対策などで、これまで「いわて 新エネ・省エネ住宅大賞」(岩手県主催)の受賞など、 その先進的な取り組みは公的機関からも高く評価されてきた。

同社がこれまで培ってきたこれらのノウハウを応用し、この秋実証棟として発表したのが「無暖房の家 FUZAM」である。敷地の位置や形状、気候風土の特性を緻密に捉え、太陽光・通風などの自然エネルギーを利用しながら、構造体をさらに高断熱・高気密化。熱負荷計算プログラムで個別に熱収支をシミュレーションし、暖房エネルギーの「ゼロ」化を目指す。

国内最高水準の性能が生活熱をも暖房へと転換する

次世代省エネ基準をはるかに超える断熱・気密性能は、
精緻な施工技術なしには実現できない。

北米型ツーバイフォー工法の外張り断熱を基本に、充填断熱、内張り断熱と3層の断熱層で構成。天井部分はグラスウール・ブローイング500ミリ、高性能木製トリプル(3層)サッシ(Low-E・クリプトンガス入り)が標準仕様。目標とする性能値は、熱損失係数(Q値)0.53~0.57w/m2・K、隙間相当面積(C値)0.3cm2/m2を最低レベルとしている。換気設備は第三種換気と組み合わせた第一種併用の計画換気システム。季節や昼夜の気候条件に応じて第一種と第三種を切り替え使用するハイブリッド型換気で、季節に応じて、エネルギーロスを防いでいく。

照明や家電製品をはじめ、人体からの発生熱など、屋内で発生するわずかな熱を活用しながら、換気による熱回収を行い、国際的にも最高水準の性能を基本に生活発生熱を暖房としても活用していく──というのが「FUZAM」の基本的な考えだ。猛暑の夏はオーニングなどで日射を遮蔽し、涼しい早朝・夜間に外気を採り入れ、終日開口部を閉め切ることで、エアコンなしでも快適な室内気候が実現できるとしている。

住む人の健康を守りながら、仮に介護の状態になってもなお、我が家で暖房コストのかからない住宅に住める歓び。それは「居住福祉」の体現であり、エコロジーまでも包括した次世代住宅の理想型といってもいい過ぎではない。

高いデザイン性とあくなき性能の追求、人と環境に配慮した家のかたちを模索して20年。同社がいつも色褪せて見えないのは、常に何かに挑んでいるその姿勢ゆえかもしれない。

■──編集後記
「Q値1.0w/m2K以下」をめざす動きが高まっている。すでに岩手県内にも数棟が誕生。しかし、単に性能向上をめざすのか、ランニングコストをゼロに近づけるかなど、目的をどこに設定するかで「1.0以下」の意味は大きく変わってくる。それに伴う大幅な工事費アップ、間取りや開口部などの「制限」が増えていけば、性能向上とは裏腹に、施主の生活と「夢にまで見たマイホーム」に犠牲を強いていくことにもなりかねない。この秋に発表された「無暖房の家 FUZAM」では、あえて統一仕様・マニュアルを設けることを避け、従来通り、施主の希望に添える「自由設計」を基本としている。建築価格(設備等フル装備)は、40坪で平均55万円〜58万円が目安。国内最高水準の高性能・無暖房住宅がこの価格で建築できるとすればかなりの「得」である。
地域工務店というカテゴリーに属しながら、同社が絶えず異質なポジションを堅持してきたのは、性能向上への探求心にとどまらず、そこで提案されるレベルの高いデザイン性によるところが少なくない。空間構成やインテリアの提案が、実にうまい。キッチンや設備、内装材一つとっても、グレードの高い輸入製品を安く仕入れ、それをドアの取っ手や洗面台といったディテールにまで応用していく。単に洋風というのではなく、気がつくと、さりげなく個々の暮らしがワンステップ上がってしまうところに、提案の妙があり、センスが光っている。そうした意味では、同社の展示場「ウイズアス」は、デザインレベルの高さをじかに見学し、温熱環境の快適さを自分の身体で実際に体感できる希有な場でもある。

フレーマーは黙々と、一切の無駄を排して動く。お互いの「あうん」の呼吸も見事。

変化し続けている「ウィズアス」。何度訪ねても発見がある。

自社加工のパネルの精度は0.1ミリ単位。クレーンで運ぶパネルがぴたりと納まる。

1日でここまで仕上がる。作業を見守る施主家族も多く、例外なく感動を口にする。

「ウィズアス」のファミリールーム。家族の笑い声が聞こえてきそうな空間。

注目を浴びる「無暖房の家 FUZAM」。盛岡市内の実証棟を予約公開中。

DATA
工法 北米型2×4工法(木造・外断熱)
平均隙間相当面積 0.5cm2/m2
平均熱損失係数 1.4W/m2・K
社名・連絡先 株式会社 大共ホーム
岩手県岩手郡滝沢村鵜飼字下高柳11-1 TEL 019-687-1541 
http://www.daikyo-home.jp/  E-mail
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